兼業で米を作っている農家さんの口から、「俺らの時給は100円」というワードを聞くことがある。
では、何故、時給100円の米作りを辞めないのか…。
理由は簡単。
将来的に宅地にならない田舎の土地は売れないし、米作りを辞めればあっという間に草だらけの荒地になるから。
だから、年齢を重ね、自ら米作りをすることが困難になった兼業農家さんの中には、田圃が荒地化することを回避するため、無償で土地を貸与している方もいる。
日本で、米農家として食べていくためには、農業法人化して生産量を増やすのが、現段階の最善。
米価の維持を図るため、長きにわたる減反政策や、また、飼料用米や麦などへの転作補助金によって、人為的に抑えられている米の生産量。
これに気候変動による不作や、インバウンドによる需要が加わり、起こった米騒動。
消費者としての自分は、正直、高値をつける米に驚く。
しかし、農家さんと密に関わる農業機械を仕事にする自分は、彼らが手間暇かけ米作りを行っていることを知っているため「良かったね。少しは儲けてください。」という気持ちになる。
とにもかくにも、「米が食えない日本人」の激増だけは免れたいよなぁと思う今日この頃である。